発情期じゃなきゃ殴ってる! 3 (フルールコミックス)

1巻の発売から読んではいるものの、4巻にあたる今作とても評価しがたいものでした。4巻から買う人はいないと思うので、既出キャラに関しては割愛しますが（まったく活躍していませんので）、今回の新キャラは次のオオカミとウサギの新シリーズにも出ているエリート署長です。この署長はウサギとオオカミのハーフで、ハーフはすごく優秀という設定になっています。この優秀というキャラ設定が全く説得力がなく最初はギャグか？と思うほどでした。結果本当にギャグでした。しかもハーフは優秀とはいうものの、その片方の親の性質であるオオカミはもともとウサギに会うまで「世間一般的な生活が営めないほどの暴力的な衝動」を持っているのに名家に囲われるか、それともそのハーフの子どもとしてオオカミ生まれてきてまたウサギと番うのか、私の頭ではまったくわからないことになりました。だとしたら、2巻で出てきた支倉日記とハーフ一族の関係性とか絡めて考えるとだいぶ大きな風呂敷を4巻になって広げてはじめてしまったのではないでしょうか。今回一巻使って何も答えが出ていませんので、最近のキングダムよりも話の展開は遅いかもしれません。結局なぜ「満たされなかったのか」もわからず。次のシリーズで答えが出るのかもしれませんが、先生たちに伏線回収の才能を感じさせる話を読んだことはないため期待値が出せません。話を長く続けていくと、最初はポップでシンプルな設定を、安直に暗くシリアスにしてしまうのは先生たちの悪い癖なのかもしれないと思いました（リバ恋とか）。ウサギやオオカミは突然変異で、単発的なので解明はされていない。そこから実際の兎や狼の習性や生理学をキャラたちに落とし込んで軽く楽しく、大神はどんどん明るくなって・・みたいな話を続けても楽しめたのではないかと思うのです。